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2025/04/15

照明の正しい配置、感覚に頼らない5ステップ

「照明の配置ってどうすればいいの?」
そんな疑問、意外と多くの人が抱えています。

SNSで見たおしゃれな部屋をマネしてみたけれど、なぜか“しっくりこない”……。
実はそれ、照明の配置が暮らしとズレているのが原因かもしれません。

この記事では、CHUBICの設計ロジックをベースに、照明の配置でよくあるミスと、失敗しないための5つのステップをわかりやすく解説します。

ステップ1:まずは「家具の配置」から決める

照明の計画を始める前に、まずは部屋の図面を用意し、家具の配置を決めましょう。

照明は単に「部屋を明るくするもの」ではなく、そこでの過ごし方に合わせて計画することが重要です。

たとえば、ソファやダイニングテーブルの位置が決まっていないと、どこに光が必要かわかりません。読書をする場所には手元を照らす光が必要ですし、キッチンの作業スペースには影を作らないような配置が求められます。

適切な家具の配置を決定し、それに基づいて照明計画を立てることで、光のバランスを最適化できます。

ステップ2:「照らす場所」をマークする

快適な照明計画には、目的に応じた3つの光のレイヤーを組み合わせることが重要です。

  • アンビエントライト(環境光):部屋全体を照らす基本の光。リラックスや会話のための明かり。

  • タスクライト(作業用光):読書や料理、勉強など特定の作業に必要な明るい光。

  • アクセントライト(演出用光):壁やインテリアを照らし、空間に奥行きを与える光。

例えば、ダイニングテーブルは、ある日は子どもの宿題スペースに、別の日には家族と食事を楽しむ場所になります。こうした使い方の違いに対応するには、基本の明るさを確保しつつ、調光機能を活用してシーンに合わせて調整できるようにするのがポイントです。

また、天井照明だけに頼らず、スタンドライトや間接照明を組み合わせることで、光をより均一に広げ、快適な空間を作ることができます。

ステップ3:部屋ごとに必要な照度(ルクス)をざっくり把握する

電球が発する光の強さは「ルーメン(lm)」という単位で測定され、カタログやパッケージにも記載されています。ルーメンの数値が大きいほど、より明るい光を放つということです。

多くの照明メーカーは、ルーメンを基準として製品を選びやすくしていますが、「どれくらいのルーメンが必要なのか?」という疑問に対する答えは、意外と単純ではありません。

例えば、1000ルーメンの電球は小さな部屋では非常に明るく感じられますが、大きな空間では光が分散してしまい、思ったほど明るく感じられないことがあります。つまり、ルーメンの数値だけでは、部屋全体の適切な明るさを判断することはできません。
ここで重要になるのが、ルクス(LUX)という指標です。

ルクスとは、1平方メートルあたりにどれだけの光(ルーメン)が届いているかを示す単位です。
[ 1ルクス = 1ルーメン / 1㎡ ]

ルクスを計算することで、部屋のサイズに対して適切な明るさを確保できるかどうかが分かります。ルーメンとの違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

部屋ごとに最適な明るさ(ルクス)の目安

部屋の用途によって、必要な明るさ(ルクス)は異なります。照明器具のメーカーでは、ルーメンの数値を記載していますが、ルクスの情報は部屋の広さによって異なるため、デザイナー自身が計算する必要があります。

場所ごとに必要なルクス(照度)の目安は以下の通り:

  • 読書・作業:500〜750lx

  • 食事・団らん:300〜500lx

  • リラックス:100〜200lx

    ざっくりとで構いません。「ここは〇〇lxくらい必要そうだな」と想定しておきましょう。

詳しく知りたい方は:【2025年版】部屋別ルクスの正しい目安

部屋に必要な明るさ(ルクス)が決まったら、次はルーメンを計算して具体的にどの照明器具が必要なのかを計算します。


ステップ4:器具の明るさ(ルーメン)から個数を決める

ルーメン(Lumen)は、LED電球の明るさを示す一般的な指標であり、カタログやパッケージにも記載されています。電球の光の強さを判断する際に重要な単位なので、意味を正しく理解しておくことが大切です。

照度の正式な単位はルーメンであり、光源から1秒間に放たれる光の総量(光束)を測ります。
ただし、ルーメンは空間の大きさを考慮しないため、同じルーメン数の光でも配置によって明るさの感じ方が異なることがあります。そのため、ルーメンの数値だけで照明を選ぶのではなく、ルクスと組み合わせて考えることが重要です(1ルーメン / 1㎡ = 1ルクス)。

必要な照明器具の数は、以下の計算式で求められます。

部屋の面積 (m²) × 必要ルクス ÷ 1台あたりの光束 (ルーメン) = 必要な照明器具の数

例えば:

  • 20m²のリビングで150ルクスが必要な場合
    20 × 150 = 3000ルーメン

  • 1つの照明器具が600ルーメンの場合
    3000 ÷ 600 = 5台

必要なルーメン数がわかったら、次はどのような照明器具を組み合わせるかを決めましょう。
ペンダントライト1台で済ませることもできますが、それだけでは十分に部屋全体を照らせないことが多いです。

PRO TIP: 心地いい照明のコツは、異なる高さの光源を活用すること。

ペンダントライトだけでなく、テーブルランプ、フロアランプ、ウォールライトなどを組み合わせることで、より均一な明るさを実現できます。

例えば、必要なルーメンが1000ルーメンの場合:

  • 300ルーメンのテーブルランプ × 2台

  • 400ルーメンのフロアランプ × 1台

こうして光を分散させることで、快適な空間を作ることができます。

ただし、壁や天井の反射率、天井の高さなども最終的な光の広がりに影響するため、調整が必要になる場合があります。

ステップ5:配置を微調整する

計算だけでは完璧な照明にはなりません。最後に細かい配置の調整が必要です。

  • 作業スペースでは、真上からの光だけでなく、横からの光も取り入れると影ができにくくなります。

  • ソファやダイニングテーブルの真上にダウンライトを置かないほうが、圧迫感がなく落ち着いた空間になります。

  • 調光機能付きの照明を取り入れると、場面に応じて明るさを変えられ、より快適な空間を作ることができます。

ただし、この方法には大きな課題が…

ここまで紹介した方法を正しく適用すれば、照明の配置ミスはかなり減ります。しかし…

1️⃣ 計算に時間がかかる
照度計算やルーメン計算、ビーム角の調整をすべて手作業で行うのは煩雑で、実務に即していません。

2️⃣ 何度も試行錯誤が必要になる
机上の計算では正しくても、実際に設置した際に想定外の影ができることがあり、何度も配置をやり直すことになります。

3️⃣ 最終的に感覚で決めてしまう
設計者の経験や直感に頼る部分が多く、クライアントへの説明が曖昧になりがちです。


計算せずに正確な照明配置を決める方法がある!

DIALux evoやKoizumiの自動照度計算システムなど、多くの既存ツールは特定のメーカーの製品に限定されており、専門知識がないと使いにくいことがあります。

そこで便利なのが、「CHUBIC」というツールです。

このツールは、照明の自動配置、自動選択をブラウザから直感的操作で簡単に利用できます。現在、無料で利用でき、800種類以上の照明器具のデータが利用可能です。

 使い方は以下の通りです:

  1. 平面図のアップロード:まずは、照明を配置したい部屋の平面図をJPEGでアップロードします。リビングやダイニングなど、特定のエリアを選んで照明を計画できます。

  2. 希望の雰囲気を選んで、自動で器具を選定・配置:部屋の特徴と目指す雰囲気をセレクトするだけで、CHUBICが最適な照明プランを提案します

  3. 変更を加えて自由にカスタマイズ:自動生成された照明プランをお好みに合わせて調整できます。


まとめ:照明の配置は計算が鍵。しかし、もっと簡単な方法もある

正しい照明配置を決めることは、空間の快適性や機能性を最大限に引き出すために欠かせません。適切な照度と配置が確保されていれば、作業効率の向上やリラックスできる空間づくりが可能になります。しかし、明るさの基準を理解し、ルクスやルーメンを計算しながら最適な配置を決めるのは、専門的な知識が必要な上に非常に手間がかかる作業です。

これまで紹介した一般的な方法を活用すれば、計算を基に適切な照明計画を立てることができます。ただし、数値を手作業で算出し、配置を調整するのには時間がかかり、最終的には試行錯誤を繰り返すことになります。特に、照明の間隔や必要な器具の数を正確に決めるのは容易ではなく、理論を知っていても実際の配置に落とし込むのは難しいものです。

感覚ではなく、家具エリアを考慮して計算された配置で快適な空間を作りたいなら、Chubicを試してみてください。

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