2024/07/30

LDK照明の価格帯別の設計事例

ペンダントライトや間接照明との組み合わせ方、配置などの解説!

住宅の照明設計において最も重要なポイントが、照明器具の費用です。ご希望の空間を実現させるために費用はどのくらいのかかるのか、想像がつきにくいですね。

この記事では、照明費用の価格帯別に事例を掲載していますので、是非お客様の予算に合わせて実現できる照明設計の事例を探してみてください。

概要
  1. LDKの照明設計が難しいと言われる理由

  2. LDKの照明設計のカギは空間の「機能」の定義

  3. 事例①:10万以下の安価な照明事例 - シンプルでコストを抑えた照明プラン。

  4. 事例②:ダウンライトとペンダントライトを組み合わせた、中価格帯のプラン。

  5. 事例③: ダウンライト、間接照明、意匠照明を組み合わせた高級感あふれるプラン。

LDKの照明設計が難しいと言われる理由

リビング、ダイニング、キッチンの照明設計が難しいと言われる理由は2つあります。

  1. 空間の優先順位が難しい

    • LDKは多くの機能を求められる空間であり、どの空間を優先すべきか選ぶのが難しいです。そのため、全ての空間を均一に明るくしようとして多くの照明器具を配置したり、逆に明るすぎてしまうことがあります。さらに、多くの照明器具をつけすぎると予算オーバーになるリスクも。

  2. 空間ごとの照度と色温度が異なる

    • 各空間に必要な照度や色温度が異なるため、それを考えながら器具を選ぶのが難しいです。

そこで今回は、誰でも高度な照明計画ができるWEBツールCHUBICを開発するaeco light 株式会社が、リビングダイニングの照明について詳しく解説します。

実例を紹介しながら器具の特徴や価格まで詳しい情報もわかるので、ぜひ最後までご覧ください。

LDKの照明設計のカギは空間の「機能」の定義

まずは、各空間において主な機能を果たすメインの場所を考えることをお勧めします。

主な機能とはお客様がその空間で主に行う行動、過ごし方を示します。これらはお客様からのニーズ把握のヒアリングによって考え、決めていきます。以下が例となります。

  • リビングルーム:読書や勉強する場所がメインとなります。

  • ダイニングルーム:食事をするダイニングテーブルがメインとなります。

  • キッチン:料理をする場所がメインとなります。

  • 入り口:廊下がメインとなります。

それでは早速、3つのリビングの照明設計事例を見てみましょう。

今回の照明配置事例:28m2(15畳)のリビングダイニング

 この記事では、面積28㎡と天井高2.7mのコンパクトなLDKにおける照明配置について、予算別・ジャンル別の実例をご紹介します。

同じ空間で全てシミュレーションすることで、照明の選び方によってどのように空間の雰囲気や印象が変わるかをわかりやすく説明できます。

事例①:10万以下の安価な照明事例

  • 間取り: LDK       面積: 28㎡      天井高: 2.7m

  • 使用器具数:9灯

  • 総額(希望小売価格):51,800円 (1850円/㎡)



照明の中で一番安いのが、よくみるUFO型のシーリングライトです。この事例では、コストを抑えるためにリビングのメインの照明としてシーリングライトを使用し、ダイニングテーブル上にはダウンライトを配置しています。

  • リビング照明: シーリングライト(KOIZUMI AH48987L)1台 21,000円

  • ダイニング照明: ダウンライト(KOIZUMI AD7200W35)3台 3,300円×3

  • キッチン照明: ダウンライト(KOIZUMI AD7200W35)2台 3,300円×2、ダウンライト(KOIZUMI AD7201W35)2台 5,500円×2

  • 玄関照明:ダウンライト(KOIZUMI AD7200W35)1台 3,300円×1

合計金額:51,800円

※(希望小売価格) 照明設計ツール「チュービック」では、さらに小売価格の割引をご提供しておりますのでご確認ください。

このシーリングライトを使った設計では、全体的に明るく均一な照明が得られますが、空間のメリハリが少ないため、雰囲気に欠けることが多いです。一方で10万以内で予算を納めたい場合は、十分に居心地が良く、JISが定める照度基準を守っているので、シンプルで安価なLDKには十分な設計になります。

では、部屋別の設計ポイントを詳しくみてみましょう。

リビングはシーリングライト一灯で安く納める、ただし調光可能型のものを選びましょう

シーリングライトは、天井全体を照らす照明で、幅広い種類が市場に出回っており、低価格なモデルも多数存在します。一般的にダウンライトよりも設置が容易で、工事費用を抑えることもできるため、初期費用を抑えつつ、快適なリビング空間を実現することができます。さらに、シーリングライトの多くはリモコンで操作でき、明るさ調節や色温度の変更など、機能性にも優れています。これにより、時間帯やシチュエーションに応じた照明調整が可能となります。

一方で、シーリングライトには空間に奥行きや立体感が出にくいというデメリットもあります。フロアライトやテーブルライトを組み合わせることで、より豊かな照明表現を楽しむことができます。

キッチンは2種類のダウンライトを適度に組み合わせる。つけすぎないのが節約のコツ!

キッチンの照明計画では、料理の効率と視覚的快適さを考慮する必要があります。また、ダウンライトは直下に強く光を当てるため、影を作り、料理や調理を困難にする場合があるため、キッチンの天井面の中心に4.1Wのダウンライトを2灯配置し、さらにキッチンカウンターの真上には、キッチンでの作業を補助する6.1Wのダウンライトを2灯追加しています。こうして弱めのダウンライトは全体の明るさを提供し、作業エリアに強い照明を提供します。台所は明るいほど良いと思われがちですが、6.1Wの照明を多く付けすぎると視覚的なストレスを感じることがありますので、必要な数だけ配置することをおすすめします。これにより、機能性と快適さを両立させることができます。

ダイニングテーブルの上にダウンライトを一直線で配置

4.1Wのダウンライトは、ペンダントライトより見た目もスッキリしつつ価格が安いことが多いため、安さ重視の照明計画におすすめの照明器具です。また、ダウンライトは光が下向きに配光される特性を持つため、テーブル上の食事に焦点を当て、食事を美味しそうに見せ、家族の会話を引き立てます。
しかし、ダウンライトを設置する際には、配置と配光範囲を考慮することが重要です。配置が適切でないと、テーブル全体が均等に照らされず、一部が暗くなってしまいます。逆に、ダウンライトの配光範囲が広すぎると、エアコンなど見せたくない部分に余分な光が飛び散りすることがあります。

この照明プランでは、ダイニングテーブルを捉えて、中央にダウンライトを狭い一直線上に3灯集中配灯することで、中心から光が拡散し、ダイニングエリア全体の明るさを確保しつつ、壁面に設置するエアコンや家具などの余計なものを照らさずに済むという効果があります。

事例②:ペンダントライト+ダウンライトを組み合わせたリーズナブルな事例

  • 間取り: LDK       面積: 28㎡      天井高: 2.7m

  • 使用器具数:15灯

  • 総額(希望小売価格):126,000円 (4,500円/㎡)



次に、ダウンライトを主体とし、ペンダントライトを加えた事例を見てみましょう。この設計では、シーリングライトを排し、ダウンライトとペンダントライトで空間に自然な明暗差を生み出しています。

  • リビング照明: ダウンライト(KOIZUMI AD7200W35)7台 3,300円×7

  • ダイニング照明: ペンダントライト(DAIKO DPN-40842Y)1台 21,800円、(DAIKO DPN-40135Y)1台 21,800円

  • キッチン照明: ダウンライト(KOIZUMI AD1066W35)2台 10,000円×2、ダウンライト(KOIZUMI AD7201W35)2台 5,500円×2、ライン型照明(KOIZUMI AB52433)1台 25,000円

  • 玄関照明:ダウンライト(KOIZUMI AD7200W35)1台 3,300円×1

合計金額:126,000円

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この設計では、適度な明暗差が生まれ、空間の雰囲気が大幅に向上します。価格差は約72,000円ですが、この投資によって得られる空間の質の向上は非常に高いです。たった10万円以下の違いで、空間の印象がまったく変わります。

では、部屋別で使用した器具のポイントを詳しくみてみましょう。

リビング:ダウンライトを使って空間をグレードアップ

UFO型のシーリングライトは部屋を安っぽく見せてしまうという失敗がよくあります。そのため、今回はリビングルームをよりプレミアム感を持たせるために、4.1Wのダウンライトを6箇所、6.8Wのダウンライトを2箇所配置しました。これにより、部屋にコントラストが生まれ、より落ち着いたおしゃれな雰囲気を演出できます。

ダウンライトを配置する際によくある失敗は、中央だけに強い照明を配置してしまうことです。これでは部屋全体が均一に照らされず、空間が狭く感じられることがあります。中央だけでなく部屋の角にも4.1Wの弱めのダウンライトを配置し、壁を照らすことが重要です。これにより、空間が広く感じられ、壁に飾ったアートなども強調されます。

 さらに、テーブルの上には6.8Wの強めのダウンライトを2灯配置することで、読書や作業に適した明るい環境を作り出すことができます。

ダイニング:ペンダントライトの導入

ダイニングテーブルには、ベーシックでありながら優しい色合いの大光のペンダントライトを使用しました。このペンダントライトは、シンプルでありながらも上品なデザインが特徴で、予算を抑えつつ部屋に高級感を与えることができます。また、ダイニングエリア全体の雰囲気を温かくし、食事をより楽しい時間にする効果もあります。

キャビネットの下のライン型照明でキッチンをさらに使いやすく

キッチンにはキャビネットの下にライン型の照明を追加しました。これにより、調理や準備をする際に手元を明るく照らすことができ、作業効率が向上します。特に夜間や早朝など、自然光が少ない時間帯でも十分な明るさを確保できるため、キッチンでの作業がより安全かつ快適になります。

また、このライン型照明はエネルギー効率が高く、長時間使用しても電気代がかさむ心配が少ない点も魅力です。


事例③:間接照明+ペンダントライト+ダウンライトで贅沢な空間に

  • 間取り: LDK       面積: 28㎡      天井高: 2.7m

  • 使用器具数:15灯

  • 総額(希望小売価格):347,600円 (12,414円/㎡)


さらに進んだ事例として、ダウンライトに加えて間接照明や意匠照明を組み合わせた設計を見てみましょう。この設計では、光のメリハリが強調され、くつろぎ感や高級感が増します。

  • リビング照明: ダウンライト(KOIZUMI AD1066W35)2台 10,000円×2 、ダウンライト(KOIZUMI AD1065W35)3台 7,000円×3、間接照明(KOIZUMI AL52755)3台 19,800円x3

  • ダイニング照明: ペンダントライト(LOUIS POULSEN PH5)1台 136,400円、(LOUIS POULSEN Doo-Wop)1台 82,500円

  • キッチン照明: ダウンライト(KOIZUMI AD1065W35)2台 7,000円×2、(KOIZUMI AD7201W35)2台 5,500円×2

  • 玄関照明:ダウンライト (KOIZUMI AD7200W35)1台 3,300円

合計金額:347,600円※

(希望小売価格) 照明設計ツールチュービックでは、さらに小売価格の割引をご提供しておりますのでご確認ください。

この設計では、照明器具自体の価格は高くなりますが、その分、空間の質が大幅に向上し、居住者の満足度も高まります。

間接照明の正しい使い方

洗練されたホテルのような雰囲気を作り出すには、間接照明が最適です。この事例では、テレビの壁に間接的な直線状の照明を使用して、プレミアムな感覚を演出しました。間接照明は、普通の壁ではなく、最も興味深く高価な素材に向けて配置されています。これにより、空間に奥行きが生まれ、特別な雰囲気を楽しむことができます。

高級ペンダントライトのインパクト

この事例では、アイコニックで認識しやすい形状のルイスポールセンの輸入品を使用しました。このデザイナー照明は予算の大部分を占めますが、空間の雰囲気を新たなレベルに引き上げ、デザイン志向のクライアントに提案する価値があります。ペンダントライトの配置により、ダイニングエリアが一層魅力的になり、食事の時間がより楽しく感じられるでしょう。

間接照明、ペンダントライト、ダウンライトを組み合わせることで、光のバランスが取れた空間を作り出せます。これにより、各エリアがそれぞれの機能に応じた最適な照明を得ることができ、全体として統一感のある美しい空間が完成します。高品質な照明器具を使用することで、居住者の満足度が高まり、日常生活がより豊かで快適になります。


まとめ

今回の記事では、LDKの照明プランについて、予算別の具体的な事例を交えながら解説しました。LDKの照明計画が難しい理由として、空間の優先順位の決定と各エリアの照度や色温度の調整が挙げられます。この記事では、その課題を解決するために、具体的な照明配置例を提供しました。

まず、事例①:10万以下の安価な照明事例では、シンプルでコストを抑えた照明プランを紹介しました。総額は51,800円で、シーリングライトを中心にダウンライトを適所に配置することで、予算内で均一な明るさを確保する方法を説明しました。また、調光可能なシーリングライトを選ぶことで、シチュエーションに応じた調整が可能になります。

次に、事例②:ペンダントライト+ダウンライトを組み合わせたリーズナブルな事例では、総額126,000円で、ダウンライトとペンダントライトの組み合わせによる空間の明暗差を活かしたプランを紹介しました。これにより、リビングやダイニングの雰囲気を大幅に向上させ、部屋全体の質感を引き上げる効果が得られます。

最後に、事例③:間接照明+ペンダントライト+ダウンライトで贅沢な空間にでは、総額347,600円で、ダウンライト、間接照明、意匠照明を組み合わせた高級感のある照明プランを紹介しました。間接照明を活用することで、洗練されたホテルのような雰囲気を演出し、デザイナーペンダントライトによって空間にインパクトを与える方法を詳述しました。

これらの事例を参考にして、自宅の各部屋を効果的に照らす照明計画を立てることができます。各エリアに最適な照明を選び、全体として統一感のある美しい空間を実現しましょう。

より明確に照明を計画したい場合は、WEBツール「チュービック」を活用することで、照度を自動的に計算し、必要な灯数を推奨する機能を搭載しているので参考にすることができます。ぜひご活用ください。


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